畳の歴史 弥生時代
弥生時代は、紀元前300年頃から3世紀頃まで続いた時代です。
当時の人々は、稲作が本格的に行われるようになり、それに伴って、稲わらの加工技術も進歩し、稲わらを束ねて敷物として使用していました。
これは「薦(こも)」と呼ばれ、現在の畳の原型となったものです。
この時代には、畳の原型となるような敷物が使用されていたと考えられています。
弥生時代の敷物
弥生時代の敷物は、主に住居の床に敷き詰めて使用されていました。
この時代の遺跡からは、イ草やヨシなどの植物で作られた敷物が多数発掘され,稲わらを敷き詰めた住居跡や、ござのような敷物が見つかっています。
これらのことから、弥生時代の人々は、住居の床に座具や寝具として、あるいは儀式などに使用する敷物として、稲わらを広く利用していたことが推測されます。
弥生時代の遺跡からは、高床式住居の床に敷物が敷き詰められていた例が多数発掘されています。
これは、当時の人々が、寒さや湿気対策として敷物を使用していたことを示しています。
高床倉庫の床
弥生時代の高床倉庫の床板に、稲わらを束ねて敷き詰めていた跡が見つかっています。
これは、現在の畳とは形状が大きく異なりますが、畳の起源の一つと考えられています
。
これらのことから、少なくとも弥生時代後期には、畳の原型となるような敷物が存在していたと考えられます。
壺の棺の中に
九州北部では、弥生時代中期から後期にかけて、甕棺埋葬が盛んに行われました。
甕棺埋葬とは、壺(かめ)を棺として使用する埋葬方法です。
この甕棺の中には、ムシロが敷かれていたことが、多くの遺跡から出土品によって確認されています。
なお、甕棺埋葬は、九州北部だけでなく、近畿地方や東北地方など、日本各地で行われていました。ただし、九州北部では、特に盛んに行われていたようです。
また、棺桶の中に遺体と一緒に敷物を入れて埋葬する習慣も見られました。
まとめ
弥生時代は、畳の歴史において重要な時代です。この時代には、畳の原型となるような敷物が使用されていました。
弥生時代の敷物は、住居の床に敷き詰めたり、座具や寝具として使用したりしていました。
これらのことから、弥生時代の人々は、畳を生活の中で重要な役割を果たしていたと考えられます。