藁床(わらどこ)

藁床の構造

稲藁を素材にした畳床のことでは、稲藁を約40cm位になるまで積み重ね、それを約5cmになるまで圧縮し縫い上げた物が稲藁製の畳の芯材の藁床(わらどこ)です。

藁床は単に約40cmまで重ねるだけでなく、縦や横に置いたり細かく切った稲藁を入れたりして5~6層に仕上げていきます。20年以上前ぐらいに建てられた家には藁床はよく使われていますが今の新築などにはあまり使われていませんね理由は建材床に比べてコストが高かったり藁床を作る業者さん自体が少なくなるなど色々な原因があります

藁床の特徴

吸放湿効果

稲藁と藺草は呼吸をするのでお部屋の湿度が高くなると湿気を吸収し部屋が乾燥すると湿気を放出する効果が期待でき、お部屋の湿度調整に優れています

断熱効果

稲藁と稲藁の間に空気があるので断熱効果があります。
もちろん建材床も断熱効果はありますが、芯材の発泡スチロール系のスチレンフォームが断熱効果をもたらします。が天然素材の断熱効果があるので自然素材ならではのぬくもりがあります。

踏み心地が良い

稲藁は建材床に使われているインシュレーションボードは硬い素材ですが、稲藁を原料としている藁床は適度な柔らかさの踏み心地がいいです

復元力がある

藁床は稲藁を約40㎝積み重ねそれを約5㎝まで圧縮しているので戻ろうとする力があります
良く踏む入り口付近の畳は凹みやすいですが、この『戻ろうとする力』があるので入り口付近でもすぐには凹まないです

耐久力が高い

建材床に使われているインシュレーションボードやポリスチレンフォームは針などで穴が開いてしまうと塞がることがありません。
畳を作るときには必ず針と糸を使いますなので、何度も同じようなところに針を刺しても藁床は復元するので、畳表の張替えを何度しても穴だらけで床が使えなくなる事はほとんどありません。

修繕が容易

家具のへこみや時には鼠の開けた穴などでも畳職人による修繕が容易にできる

昔の家にとって藁床でできた畳は無くてはならないものでした。

昔の家は風通しの良い造りになっています。

日本は高温多湿の気候なので昔の家は風通しの良い構造になっています

逆に冬になると冷たい空気の出入りがあり寒くなりますね、

藁床でで来た畳の部屋は床下からの冷たい空気を遮断して暖かいので、冬場の家には無くてはならないものです。

しかし、今の家は、サッシなどで高気密住宅になり、部屋の中の空気が密閉され風通しの悪い構造になっています

その事によって稲藁で出来た畳は以前では考えられなかった弊害を産む事になってしまいました。

伊藤たたみ店では

  1. 畳を敷くお部屋にもよりますが基本的に藁床をお勧めしています
    対応年数が長く修復可能な場合が多いからです。
  2. 稲藁製の畳を作る場合は藁床と畳表の間にホウ酸の成分を含ませた防虫シート(マイトスタット)を標準で入れています。畳表の張り替えなどで畳を分解した時に畳床と畳表の間に防虫シートを入れることもできます(1畳880円)
  3. ダニなどが畳に異常繁殖した場合その畳を畳乾燥機に入れてダニやその卵等をほぼ全滅させる事も出来ます
    畳乾燥機1回に12畳まで対応 1回15,400円